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棋士の、棋士による、棋士のためではない(!)日本将棋連盟 [将棋]

さて、三浦弘行九段の出場停止処分をめぐる問題も、ようやく一区切りついた。
 10月24日に今回の処分の妥当性と、三浦九段の対局中の行動について調査をするということで第三者調査委員会が設置された。
 だがその後、日本将棋連盟(以下「連盟」と記す)の公式ホームページ上には、11月4日に第一回目の委員会が開かれた、というお知らせが載っただけで、その後の進展についてはまったく情報が公開されなかったのである。
 この件について11月7日に三浦九段側から「処分の妥当性について調査するのであれば、いったんは出場停止処分を取り消してもらいたい。私から将棋を指す権利を奪わないでほしい」という文書が出された。これはまったくもっともな意見であり、すでに挑戦者が変更になって開始されてしまった竜王戦については仕方ないとしても、それ以外の棋戦に関しては出場させるような配慮があってもよいのではなかろうかと私も思ったほどである。
 結局年内の出場停止処分は解かれることはなかった。そうして先日の12月26日、竜王戦の七番勝負が終わるのを待っていたかの如く第三者調査委員会の調査報告がなされた。
 調査の結果、三浦九段の不正行為の痕跡は見られなかったとのことである。疑惑の発端となった不自然な離席時間というのも、告発者の久保九段や渡辺竜王の主張するほど長いものではなかったらしく、三浦九段とその家族から預かったパソコンとスマートフォンを解析したが、やはり不正の痕跡は見られなかったとのことである。
 「週刊文春」の記事を通して渡辺竜王から「確実にクロだ!」とまで断言された三浦九段は、この日ようやく疑惑を解消されたというわけだ。
 なお、連盟の取った処分の妥当性については、竜王戦の開催予定が直前に迫った中、不正疑惑の解消できていない当時の状況からすると、やむを得ないものだという判断が出た。

 しかしその翌日に行われた三浦九段と連盟の会見を聞くかぎり、これは円満解決どころか、将棋ファンや理事以外の他の棋士からも非難轟轟の展開になりそうな予感がしてきたのである。
(そもそも三浦九段はまだ連盟所属の棋士のはずなのになぜ谷川会長と一緒に会見をしないのだろうか、と疑問には思っていたのだが案の定であった・・・)
 
 連盟の会見にて谷川会長は「常務会の(出場停止処分の)取った判断は妥当であったという結論だったとはいえ・・・」と話している点にまず違和感を覚えた。
 はて?但木委員長は「妥当な判断」だったなんて言っていただろうか。「やむを得ない判断」といったのである。妥当というのは、常識的で、適切だった、という意味である。第三者というのは当然ながら三浦九段と連盟、両者側から事態を判断せねばならない。今回の出場停止処分は結果として、三浦九段側からすれば明らかに「不当」な処分であったのだ。だが委員長としては連盟の置かれた状況も鑑みると不当だと断言することもできないから「やむを得ない」という表現を使ったのではないか。まったく意味合いが違ってくるのである。
 このことから見ても谷川会長をはじめとする連盟理事は、「三浦九段につらい思いをさせたことを心からお詫びをしたい」と言ってはいるが、一棋士の社会的名誉を傷つけたことに関して、心底から反省しているようには感じられないのである。
 
 次に、これは三浦九段の弁護士からの発言と照らし合わせて考えると、まったくもってあきれてしまうほどの疑問が残るような発言があった。同じく谷川会長の会見である。

「一方、10月11日以降の一連の動きにつきましては、この時点で週刊誌に三浦九段に関する記事が掲載されることが確定的である、という重い事実がありました。
渡辺―三浦戦で竜王戦の七番勝負を行い、第一局の一週間後に記事が出ることになりますと、大きな混乱を招くばかりでなく、竜王戦の中止という最悪の結果となる可能性もありました。」
 
 これは今年の10月20日を機に「週刊文春」等で報道された記事のことを指し示しているのだろうが、なぜゴシップやスキャンダル等を興味本位に記事にして売り飛ばすことが目的の週刊誌に、この疑惑が掲載されることがそれほど「重い事実」なのだろうか?
 仮に掲載されたとしても「そんなことは気にしないで棋士は対局に専念してほしい」というように棋士の対局する権限を守ることが、連盟会長の務めなのではないだろうか。
 しかも実際発売された「週刊文春」に三浦九段の件が書かれた記事の取材に答えている棋士の中には、竜王戦の当事者である渡辺竜王と、常務理事である島朗九段、そして最後のほうには谷川会長も少しだけだがコメントが出ているのである。特に渡辺竜王と島九段は、三浦九段の不正をほぼ確信しており、あたかもこのことを世に知らしめるために記者の取材に答えたかのような文面であった。
 火のない所に煙は立たぬ、というが、自分らが仕事をする管轄内で煙が出ようとしているのに、煙を止める努力をするどころか、逆に自ら炎上させるように根回しをしたようなものだ。渡辺竜王が竜王戦の挑戦者変更が決まった日に自身のブログに「大変なことになってしまいましたが」と他人事のように書いていたことが、のちに大顰蹙を買う所以となった。
 一方三浦九段の会見において、(三浦九段が)自分の方から休場を申し出たことになっているが、の質問に対して、実はこの常務会において「このままだと竜王戦が中止になってしまうから、休場してほしい」という提案をされたという新事実が出てきたのである。要するにこれは一種の脅しである。(三浦九段によると渡辺竜王もこの時同席していたということだ。)この点に対して専務理事である青野九段は「我々の方から三浦さんに休場をお願いしたことはない」と否定はしたものの、連盟が週刊誌に記事が載るという事実を知っていてそのことを重く見ていた(掲載された内容を未確定な事実として否定する、という姿勢を取ることも可能だったにもかかわらず)ことを考えると、「三浦九段さえ出なければ何とかなるのではないだろうか」という場当たり的考えが浮かんだとしても不思議ではないと思った。
 そもそも今回の件は、進化する電子機器への対策をなおざりにしていたことが原因だろう。長時間対局するのが当たり前のプロ棋戦において、離席の回数や時間の長さが問題にされるのならば 極端な話、自分の手番の時に食事休憩が入れられなくなってしまうだろう。もっと早い時点でスマホの持ち込み禁止の状態で対局を行うようにすれば、疑心暗鬼にならなかったはずである。連盟は自分たちの不手際により招いた事態を、賞金の大きな棋戦である竜王戦を守るということを口実にして、一棋士の責任で終わらせようとしたといっても過言ではない。
 
 最後に連盟会長及び理事の方々に問う。あなた方は棋士でありながら、棋士の人権を無視したのである。この事の重大さをどうお考えか。
 棋士というものは将棋に命を懸けても惜しくはない生き物かもしれない。だが将棋連盟という組織のためになど、命を懸けたくはないだろう。
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